kindle unlimitedで読みました。
概要
この本は,モデル,俳優として活躍されている栗原類さんのお母さん,栗原泉さんの子育て本です。
栗原類さんは注意欠陥障害(ADD)だと告白されたことが話題になりました。
その類さんを育てたお母さんの手記ですが,発達障害のある子どもを育てる親だけでなく,すべての親に通じる子育ての軸が書かれています。
この本では,泉さんの子育ての理念,子育ての理念に影響を与えた泉さん自身の過去,ブレない子育ての実践として8つのルール,類さんのインタビュー記事が書かれています。
8つのルールとは,
- 周囲の雑音に振り回されない知識を持つ
- 「我が子に今何が必要か」をじっくり観察する
- 頑張らせることの優先順位を決める
- 子どもと一緒に学ぶ,感動を共有する
- 人生への前向きな姿勢,社会常識やマナーを教える
- 子どもの将来を見据えた教育ビジョンを持つ
- 親のエゴをはずして,子どもの意思を尊重する
- 子どもに言ったことは必ず守る,言語一致させる
です。
本を読んで,私が感じたこと
”いま”の”目の前”の子どもをみよう
この本の中で,「とりあえず先にダメ出ししてから,最後にほめる部分について言及する」とあります。
泉さんの対応は,最近の子育て本でよく言われていることとは反対のように見えます。
最近の子育て本では,「認める」「ほめる」ことを重視し,もし指摘することがあるのであればほめたあとで,と書かれていることが多いです。
しかし類さんの場合は,先にほめてからダメ出しすると,ダメだった印象しか残らないので自己肯定感が下がってしまう。そこで,最後の最後にほめる,という方法を取ったそう。
目的は自己肯定感を下げないこと。
方法はあくまで方法。
目の前の子どもをみる大切さがわかります。
また 「均質化を迫ってくる人の都合に自分の子どもの成長を合わせる必要はない」とも書かれています。
一緒に楽しさや感動を共有しよう
親が楽をすればするほど,子どもの学ぶ機会や工夫する機会が減っていきます。
楽するべき場面はそこではない,と書かれています。
一緒に過ごし,感動や楽しさを共有する,
それが家庭教育であり,親子の信頼関係の構築手段です。
その時の思いつきでなく,将来を見据えたプロセスをとらえよう
泉さんは,子どもの将来を一本の長い道と考え,場面場面の思いつきで対応するのではなく,自立するまでのプロセスとして考えることを大事にされています。
特に,子どものおけいこ選びや進学先選びは,親が自分のエゴと向き合い,抑制する修行の機会となる。
そして,それを繰り返すことで子どもが自立し,自分の意思で選択していくことができる。
大事な場面で思い返したいことです。
知識を得よう
「知識は自分の武器になる」と同時に,「ささいなことをいちいち気にしない」ことにもつながります。
知識を広げ,広い視野をもつように努力すると,狭い世界で疲労することが些末なことに思えるようになる。
今後は,どの知識が適切で重要かを判断することも必須になってくると思います。