私は仕事の中で「人に伝える」場面が多くあります。
またどのような人でも、日常生活においても、人に伝える場面はあると思います。
上手に話をするのが苦手なため、どうしたら聞き手の時間を無駄にしないで伝えたいことが伝わるか、ということは私の課題の一つでした。
そんなときに、偶然この本を手に取り、伝えたいことをきちんと伝えるための基盤やコツを学ぶことができました。
一番大事なことは、ただ言いたいことを言うのではなく、聞き手の立場に立って考えることだとも感じました。その思いを実践するための方法です。
概要
作者の大谷百合子さんは、吉本興業で故・横山やすしさんのマネージャーを務め、現在は講演や研修をプロデュースされています。
この本では、講演会の聞き手の時間を無駄にしないために、聞く人に希望ややる気、未来を感じさせるための方法として、台本づくりを勧めています。
以下、台本をつくるためのステップです。
ステップ1 講師としての「志」や「目的」を書き出してみよう
- 志
- 目的
- 求められていること
- 伝えたいメッセージ
ステップ2 話のネタになる体験談を書き出してみよう
- 自分年表づくり
- 出来事にその時の自分の思いを書き込む
- 体験談を掘り起こす(理不尽な体験、怖かった体験、ありえない体験、新人時代の話、講師の心が動いた話、マイナス体験)
- 相手によってエピソードを使い分ける
ステップ3 自分が持っているスキル・知識を書き出してみよう
- 「体験(+思い)」+「知識」
- 事例や体験談と絡める
- スキルを深堀すると聞き手が飽きてしまう
- 仕事上で最近起きたニュース
- 数字を調べると説得力が増す
- 日ごろからネタ帳に豆知識を書きためておく
- 具体的な提案を盛り込む
ステップ4 「5分ネタ」をつくって、書き出してみよう
- 「体験談」と「伝えたいメッセージ」で5分ネタにする
- 「スキル・知識」と「伝えたいメッセージ」で5分ネタにする
- 5分ネタに起承転結をつける
ステップ5 台本の構成を考えよう
- ポイントはツカミとツメ
- 最初の3分間のツカミで7割成功
- ツカミパターン1 特別な経験をしたという自己紹介
- ツカミパターン2 その講演で伝えたいことの結論と理由
- ツカミパターン3 聞き手にアクションを起こさせる(質問、クイズなど)
- ツカミパターン4 見た目の印象(奇抜な衣装、小道具など)
- ツカミパターン5 こった演出(プロフィールDVD、照明効果など)
- シメのネタを決めておくと講演が引き締まり、余韻が残る
- 話と話をつなげる
- タイトルを工夫する
ステップ6 台本をさらに磨き上げよう
- パフォーマンスを工夫する
- 画像や映像はあくまで演出効果
- 図解は伝わりやすい
- クイズを出して飽きさせない
- 台本は更新する